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決算開示人材が不足するケースとその解決案

上場企業にとって重要な決算開示。決算開示の業務は限られた人材で行われており、且つ期限のある中でスピーディに業務を行うことが求められるため、急な人員不足に対応できないケースに多く遭遇します。本記事は、決算開示の業務をできる人材を探しているものの、見つからずに困っている方向けに作成しました。この記事が悩みの解決につながれば幸いです。

1.社長の理解が得られず人が足りていないケース

決算開示実務に携わっている方が所属しているのは財務部や経理部などの間接部門が一般的であるため、コストセンターとして認識されます。間接部門の重要性にあまり理解のない社長ならば業績を改善しようとした場合に真っ先に手をつけるのは、間接部門の経費削減、固定的にかかる人件費の削減でしょう。
こういった状況にあると、決算開示実務に携わる人が足りなくても、社長に理解してもらえず、人を増やせないということになるかと思います。このような場合にどうしたらよいでしょうか。

決算開示に携わる部門には会社の財務情報が集まっていますし、決算のために必要ということであれば、他部門は様々な数字を出してくれます。人が欲しいのであれば、決算内容を分析して、業績改善に有用な提案を社長にして解決していくことが考えられます。

2.新しい会計事象が発生して人が足りていないケース

ここ最近日本企業の巨額買収が話題になっています。ソフトバンクグループの英国のARM Holdings PLCの買収や武田薬品工業アイルランドのシャイアーの買収などはご存知の方も多いのではないでしょうか。

会社の買収が発生すると、決算実務上、まずは子会社となった当該子会社の決算数値を固める必要があります。そして、当該子会社を連結して連結財務諸表を作成する必要があるので、当該子会社と親会社・子会社の取引の把握、円貨への変換、決算期が親子間で異なる場合の調整などもする必要があります。

会社の買収以外にも小売業でポイントカードを始めた、退職給付制度を変更した、ストックオプションを始めた、等でも従来よりも工数が増える可能性があります。例であげた3つは普段の月次処理だけでなく、決算開示上も処理が必要ですので、工数が増えます。

新しい会計事象の発生により、決算開示に必要な人員が確保できていないということを合理的に社内で説明することにより理解を得られれば人員を増やすことができます。

3.勘定科目がバラバラで人が足りていないケース

何十社も何百社もある子会社を連結する際に、各社がそれぞれ独自の基準で勘定科目を使っている場合を想定してみましょう。

振込手数料について、ある子会社では雑費勘定、ある子会社では支払手数料勘定で処理しているといったことです。これは程度問題で決算開示上は金額的に重要でなければ特段の修正は不要となります。しかし、金額的に重要であれば、連結財務諸表の作成時に個別修正として科目振替をしなければならず、各子会社の数字の把握等で工数がかかります。

科目振替をしなければならないという事態を避けるためにも、勘定科目体系の統一ということを連結グループ全体で進めることをお勧めします。各勘定科目の定義を決めて、それを連結各社で共有するのです。連結グループ各社ごとに今まで使ってきた勘定科目にはこだわりがあり、それを調整していくのは大変ですが、一度決めてしまうと個別修正をしなくて済むので結果として工数が少なくなり、人材が足りてないということも無くなるかと考えます。

4.会計ソフトがうまく使えず人手が足りていないケース

どんなに小さい会社でも基本的に会計ソフトを使っていると思います。しかしながら、連結財務諸表の作成にあたって、連結グループ各社が別々の会計ソフトを使っていると、連結グループ各社の単体財務諸表を連結ソフトに取り込むのに手間がかかります。手で入力せざるを得ないことも出てくるかもしれません。さきほどの勘定科目の統一の話ともつながりますが、各連結会社で使用する会計ソフトが統一できれば連結システムに取り込むのも容易になります。

連結ソフト内ではどの仕訳を開始仕訳にしてといった連結仕訳の区分をきっちりと行うことが人手不足解消のポイントとなります。

上場企業の決算では、連結キャッシュ・フロー計算書を開示する必要があります。連結ソフトを上手に使って連結キャッシュ・フロー計算書を作成している企業はそう多くありません。Excelで連結精算表を作って、そこから連結キャッシュ・フロー計算書を作っているところがほとんどです。しかも、Excelベースなので、網羅的に連結精算表に事象を反映させることに手間がかかっているのです。この部分は連結ソフトを上手に使えば、工数削減につながり、人手不足の解消へとつながっていくものと考えます。

5.決算開示人材の能力不足で人手が足りていないケース

決算開示には各年度に適用となる新しい会計基準や法令に沿った開示が求められます。つまり、決算開示人材は常に新しい会計基準や決算開示に係る法令の改正にアンテナを張ることが求められます。しかし、新しい情報にアンテナを張る習慣がない人が決算開示実務につくと、法令が改正されたのに昨年の方法のまま作業を進めてしまい、上司がチェックして初めて気づくということにもなりかねません。そうなれば、工数が余分にかかります。こういったことが積み重なると、人手が足りないということになります。

普段から税務研究会の「週刊 税務通信」や中央経済社の「旬刊 経理情報」などを決算開示部門所属メンバーに回覧して、強制的にアンテナを張る仕組みを作ることが重要です。また、決算開示作業に関係する研修で有用なものは所属メンバーに受けさせて、個人スキルを高めてもらうことで人手が足りない状況を解消できればよいと考えます。

※記事内容は、インタビュー実施時期に基いて作成しているため、会社名・役職等にその他一部の内容が現時点と異なる場合もあることをご了承下さい。

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